別冊イチカレイカ

〆切のサブスク

奇跡を更新

プリキュアが好きだけれど、そのことは別にどうだっていい。けどたまには書いておいてもいいかもしれない、せっかく記念日もできたことだし。十二年前に春日野うらら/キュアレモネードに出会って以来、日々はプリキュアと共にある。それのみに没頭しているとか、生活を捧げているとかではない。ただ、自分の中に当たり前にいてくれている、直接会話したことのない友人のような存在に、お礼を言いたい気持ちならずっとある。

ありがとう&愛してるというあまりにも素晴らしいフレーズがあるので、いつもこれ以上言うことはないと思ってしまう。だって本当にそうなのだ。こちらは勝手にアニメを見て、勝手に入れ込んで、勝手に幸せになっているだけだ。たまに申し訳なくなるぐらいに。だからやっぱり、プリキュアを生み出している人たちの思いみたいなのを伝えてもらうと、どうしようもなく嬉しくなる。様々な兼ね合いや制約もあろう中でこれだけの力が注がれているのだと感じると、プリキュアを好きで良かったなとしみじみ思う。最初はASDXだった。次がオールナイトだった。そして先日の15周年ライブが、またそれを更新してくれた。歴代のプリキュアたちが名乗りを披露していく最初の演出で、今その言葉を聞けている背景が押し寄せてもう泣いた。

プリキュアから元気をもらえるとか、自分も頑張ろうと思えるとか、続きが楽しみだからつらいことも乗り越えられるとか、そういう風には思わない。あの話で自分がこうなったとか、あの歌を聞いて励まされただとか、具体的でわかりやすいエピソードも持ち合わせていない。プリキュアはただ、なにかを思い出させてくれる。キャリブレーションの触媒みたいに作用する。多分それは偶然だ。いつかそうではなくなるかもしれない。それでも、プリキュアが好きだということはきっと変わらない。なにしろ出会って結構経つので、上手に好きでいる方法ならよく知っている。