別冊イチカレイカ

〆切のサブスク

弱すぎペダル

自転車に乗りたかった。貸してもらったけれど乗れなかった。多分、自転車じゃなかったんだと思う。ロード、クロスの類をママチャリと同じように自転車と呼ぶのは一刻も早くやめた方がいい。体幹がどうたらという話をされたので、プランクチャレンジを再開した。一分半の壁が越えられず、過去二回挫折したあれだ。今は貧血がだいぶマシになっているのでいけるのではないか。結果、一分で無理だった。これが退化か。とりあえずまた続けてみることにした。数日でまっすぐ立ちやすくはなった。

そういえば最近、階段を登ると息は切れないが脚が動かなくなることを思い出した。去年は十段ごとに休憩が必要だったことを思えば目覚ましい改善だが、これももう少しなんとかなるのでは。社の筋トレ部でやるならスクワットが良いと聞き、並行して始めてみた。なんと一週間ほどで階段が登れるようになった。失われていたのは血液だけではなかったのだ。思えばヘルニアをやってからまともに動くことなどしていなかった。そこに貧血が重なって、筋肉が己を見失っていたのだろう。

プランクも一分半まで回復し、折良く健診結果も帰ってきた。ここから先へ進むには自重を減らす必要があると強く感じた。とにかく現状把握だと、食事とともに毎日記録することにした。アプリが総カロリーだけでなく栄養バランスまで見て悲しんでくる。むきになって調整しているうちに、二分を達成した。

二ヶ月が経過したときには三分半までのびた。最終的には五分できなければならないのだが、この辺でプランクに飽きた。部で飽きたとつぶやいた途端、腹筋ローラー良いですよおすすめですやりましょうと畳みかけられ、次の日出社したら机の上に置いてあった。なんなんだこの沼は。その日からありがたくコロコロし始めた。動画を見て真似しているがかなり難しい。腕が鍛えられてきたらしく、ドライヤを使うのがなんだか楽になった。なにか間違っているかもしれない。三ヶ月たって、大江戸線でも京葉線でも急がなければ階段で上がってこられることに気づいた。ヒトの機能が取り戻され始めたと言えよう。