別冊イチカレイカ

〆切のサブスク

普通の人はタイトルをつけない

一般的に人が名前をつけるのは、自分の子どもぐらいではないのか? そんなことってあるかよ……いや、考えてみればあるような気がする。幼いころはまだしも(モンデンキント!)、ハイティーン以降となるとその行為を繰り返す人種は限られてくる。もしかしたら、幼年期にすら試みない人も多いのかもしれない。小説を読まない人生をおくる人々の存在に気づいたことが記憶に新しい。

一部の人種は名付けを繰り返す。好きな物語に加わる自分の写し、真似て空想した別の世界、そこで展開する新しい物語。ペンネーム、サークル、本、ペーパー。端末、ハンドル、サイト、ブログ。名前は言わば皿である。ある程度決め打ちのものもあれば、料理ができてから探すこともある。気に入った皿に対してなにを盛るか考えることもある。手持ちで間に合うことも多いが、それは決してベストな選択とは呼べないだろう。一個の人間の名付けという大一番を迎える前に、皆もっと軽いものを繰り返して慣れるべきだ。さあテキストエディタを開いて妄想の練習から、はい!